アキコマ純情〜あきたこまち17歳文學〜




突然ですが誕生日って、一年間の中で唯一「自分が主役」の日ですよね?

今回は、誕生日を迎えた時の私の友達の話をします。

その友達というのが、ちょっと変わっておりまして、蛙が好きな女の子なのです。

持ち物の大半は蛙グッズです。

そんな彼女の誕生日。

(きっと贈られてくるのはやっぱり蛙グッズなんだろうな~)

そんな風に思っていました。

そしてやっぱり、「ありがとう!!」と言って友達から嬉々としてもらっているのは、蛙をモチーフにしたものがほとんどでした。

彼女の誕生日がこの日だと、当日知った私は何も用意できず、その日は嬉しそうな彼女を見て終わりました。

来年は私も何かプレゼントしようと思いました。


次の日。

「おはよう!」

彼女は昨日の気分が残っているのか、朝からハイテンションでした。

「おはよう」

挨拶を返して、教室の中に入ろうとしたその時、

「あ、ちょっと待って!見せたいものがあるの!!」

彼女はそう言うと、駆け足で自分のかばんのところへ行きました。

なんだろう・・・と思っていると、正方形の大きめの袋に入った物体を持ってきました。

いつも私と一緒に登校する友達も、興味津々でその物体を見ていました。

「何それ?」

「これはねぇ…あはははは!!!」

聞くと、彼女は何かを話そうとするや否や突然笑い出しました。

流石に、半歩引きました。

「な、何?…どうしたの?」

今だ笑っている彼女に問うと、彼女は一生懸命笑いを抑え、袋から中身を取り出しました。

中からは、さらに袋で包まれた正方形の物体が出てきました。

「ふふ…。昨日あたしの誕生日だったでしょ?」

「うん」

「で、昨日忘れてたからって、昨日誕生日プレゼントを買いに行ってくれた、あたしとすごく仲のいい子がいるの」

(それはすごい友人愛だな)

「で、今朝これを渡してくれたの」

「へぇ!昨日買いに行ってこんなに大きいものをくれたんだ!?」

私がそう言うと、彼女は何故かまた笑いそうになりました。

「ふふふっ…そうなの!だからあたしも、『わー!ありがとう!いいの?こんなに大きいものもらって』って言ったの」

「そりゃ、友達からそんだけ大きいのもらったら誰だってそんな反応するよ。良かったね!で、何もらったの?」

はやく中身が見たいと思いました。

どんな蛙グッズだろうと、とても興味がわいていたのです。

「ふふっ…あのね、あたしがその友達に『ありがとう』って言ったら、なんか意味深な笑顔を残して教室に帰っちゃったの。で、早く中身が知りたかったから、その場で確認したの」

話しながら、彼女は袋の中に手を伸ばしました。

「ふふふふっ…。で、やわらかいしタオルかな?って思って取り出したら…」

彼女が袋の中からついに正方形の物体を取り出しました。

「これだった…あははははははははっ」

一瞬、何が出てきたのか分かりませんでした。

てっきり蛙グッズだと思っていましたから、緑色かな?と勝手に思っていたせいもあるかもしれません。

それと、誕生日にそれを贈るなんて発想がなかったからかもしれません。

それが何であるかを認識した瞬間、私も彼女と同じように笑ってしまいました。

「えっ…食パン!?誕生日に食パン!?…ぷっ…あははははははははっ」

私の隣にいた友達も、同様に笑っていました。

そして、そんな私達に追い討ちをかけるように、彼女がさっきの話に付け足しました。

「で、これの消費期限が…今日なの!!」

…もう、声も出ないほどに笑いました。

その日一日、この話を思い出しては笑っていました。

そして来年の彼女の誕生日、真面目に彼女が好きなものを贈るべきか、食パンのようにネタにするべきか、本気で悩んだアキコマ純情。



◀第4話第6話▶